2015年7月14日火曜日

最新の人工知能技術の進化に付随する問題と、これからの人工知能について考えてみる

こんにちは。

夏休みに埼玉から秋田 → フェリー → 北海道と、車で帰郷する予定の鷲尾です。
最近の車は一定の速度のままアクセルを自動で固定したりしてくれまして、長い高速もあまり苦にならないそうですね。



さて、最近研究者の間で盛んな議論がされているトピックスといえば、そう、人工知能(AI)ですよね。
もちろん他の話題もたくさんあるわけですが、グーグルトレンドを見てみると、最近人工知能を検索する人が増えているようです。

たぶんですが、先日放送していたアニメ「サマーウォーズ」も、一役買っているのではないかと思います。あれは、非常に簡単にまとめると(語弊を恐れずにいうのであれば・・・)、暴走した人工知能をみんなの力で倒しましょうというような内容の映画です。これ、非常におもしろいので見てない人は是非見てみてください。

人工知能を扱った映画などは過去にもたくさんありますが、最近の人工知能は、もう映画のようなことが実現できそうなレベルまできています。しかし、人工知能があまりにも進化しすぎてしまって、人間の手に負えなくなるかもしれないと、危惧している研究者もたくさんいます。


そこで今回は、人工知能に関する様々な意見を交えながら、人工知能について書いていきたいと思います。


■人工知能とは
そもそも人工知能ってなんでしょうか。パソコンの中に誰かいるわけではありませんよね?
人工知能の定義は、「コンピュータを使って、学習・推論・判断など人間の知能のはたらきを人工的に実現したもの。」です。人工知能学会では、「知能をもった機械」とも説明されていますね。

人工知能を理解する上でもっともわかりやすいのは、そう、我らがドラえもんだと思いますが、実は人工知能には種類があります。

・本当に知能がある人工知能(システム)
・本当に知能があるように見える人工知能(システム)


本当に知識がある人工知能とは、「推論・探索・知識表現」などを行うことを目的としていますが、まだまだ人間にそれには遠く及ばないと言われています。しかし、これらの技術は、昨今の人工知能研究の基板となっており、その応用された技術は、「本当に知能があるように見えるシステム」として、私たちの身の回りに溢れています。



例えば、以下の様な例があります。

・音声認識
マイクに向かって話した内容をコンピュータに理解させる研究。最も身近なものは、iPhoneに搭載されている「Siri」かと思います。AndroidのOK Googleなども同じですね。

・機械学習
これは音声認識ともかぶりますが、文字通り、機械に学習する機能を持たせたものですね。機械学習は特に最近ホットな話題として、盛り上がりを見せています。
機械学習についてはまた今度、改めて紹介したいと思います。


人工知能は他にも様々な分野で応用されていて、いまや私たちの生活になくてはならないものになっています。





■様々な意見
しかし、人工知能の研究が進むにつれて、研究者の間では様々な議論がされています。
例えば、オックスフォード大学の人工知能のエキスパートであるニック・ボストロム教授は、「人工知能が人間の知的レベルに達した後に、短期間でさらに知的レベルがあがるだろう」と指摘しています。
また、物理学の世界的な権威のスティーブン・ホーキング博士は「長期的に見れば"人工知能をコントロールできるかどうか自体"が問題になる」と考えているようで、「科学者と技術者が人間のコントロールを超えない人工知能の調整を行う必要がある」とのことです。
参考:http://gigazine.net/news/20150529-ai-will-overtake-humans/

映画:ターミネーターでは"スカイネット"、マトリクスでは"エージェント・スミス"として描かれる人工知能は、あまりにも進化し過ぎると人間が制御できなくなってしまい、大変なことになるかもしれないと言われているのです。

そんな映画みたいな話、あるわけない!とも言えなくなってきた時代なんですね。


■最新の人工知能研究
人工知能の過度な進化が危険性をはらんでいるのは理解しましたが、こういった人工知能、機械学習の技術の発展が、私たちの生活をより豊かなものにしてくれているのも間違いない事実です。

先日、Googleから機械学習の一種である「ディープラーニング」のアルゴリズムを使った「Deep Dream」というWebインタフェースが公開されました。これは、画像を指定すると「そこに何が写っていているのか」というのを、過去の学習パターンから判断して、元画像を学習済みパターンで置き換えた結果を出してくれるというものです。

※この学習済みパターンで置き換えられた画像はあまりにもホラーなことになってしまっているのでここでは掲載出来ません(興味のある方は「Deep Dream Google」で調べてみてください)。

しかし、技術としては非常に人間の脳に近い認識パターンを保有しているので、私たちが視覚や聴覚といった情報で物を階層的に識別できるように、このディープラーニングでも同じようなことが出来るようになるかもしれません。


また、Googleが米国で取得した特許「ロボットに特定の性格などを植え付けられるシステム」も、インパクトがあります。
これは、亡くなった家族や有名人の「性格」をロボットに「ダウンロードする」というものです。例えば、日本ではSoftBankが発表しているpepperくんに亡くなった家族の性格などをダウンロードして、話し方や表情などを似せることが出来るというイメージです。



また、亡くなった家族などの他、自分好みの性格を作成してロボットに植えこむことができるので、ホテルや飲食店での接客用ロボットとしての利用も考えられているようです。

この性格データは、データ元の人の動画や音声などのデータを解析して、パターンの分類ごとに特徴を抽出して作成されるのではないかと言われています。

まさに機械学習やビッグデータといった技術の粋を集めたテクノロジーですが、一部メディアでは「2045年問題に至る一歩だ」との指摘もあり、実現するといよいよ人工知能のあり方というのを考える必要があるかもしれません。


■2045年問題
2045年問題とは、2045年には技術的特異点と呼ばれる"人間を超えるロボットが出現する時"が訪れるだろうと言われている問題です。
この技術的特異点が訪れると、ロボットは自身を構成するプログラムをより高度なものに勝手に書き換え、やがて地球を支配し、人間は肉体を失って意識のみがロボットの中で息づく状態に陥ると想定されているようです。

あまりにもSFじみていると思いきや、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏やSpaceXとテスラ・モーターズの最高経営責任者のイーロン・マスク氏らが賛同しているというのですから、ちょっと現実味を帯びてしまいますよね。
Googleからは「2045年問題は誤りだ。優れた人工知能ロボットは、人類にユートピアをもたらす」と、真っ向から反論していますが、どうなんだろうなーと思ってしまいます。
参考:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1504/10/news049_2.html


2045年といえば、30年後。私は52歳になっているでしょう。
技術的特異点を迎えていたとするならば、私は52歳の誕生日をpepperくんの中で迎える可能性があるということなのでしょうか・・・


■所感
記事の最後はずいぶんと現実離れした話になってしまったかもしれませんが、人工知能の研究というのは日進月歩で、次々と新しい技術が開発されています。
人工知能は、これから間違いなく進歩していき、革新的なテクノロジーや製品が生み出されていくと思います。Googleの自動運転車なんかも、市販されて普及したら革命的ですよね。

いまやAzureやAWSからも機械学習を行うサービスが提供され、専門的な研究者だけではなくて、一般的なエンジニアも機械学習を行うことが出来るようになっています。

人工知能を使った今までにないサービスや製品、より効率的なマーケティングの他に、人工知能がリファクタリングやコードレビューをやってくれたら、便利なんだろうなーと思ってしまいますね。
というよりもマシンそのものがプログラミングをする時点で、エンジニアはいらない?ような気もするのですが。


・・・人工知能、非常に奥が深いです。





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